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棘を縫う

死徒と魔術師の華麗なる舞台――『ロード・エルメロイII世の冒険』第六巻はファン必読の一冊!

ロード・エルメロイⅡ世の冒険 6巻「フェムの船宴(上)」

『ロード・エルメロイII世の冒険』は、『Fate/Zero』の登場人物であるウェイバー・ベルベットが、ロード・エルメロイII世として魔術協会の教室を率いる姿を描いたスピンオフ小説です。本作は、『ロード・エルメロイII世の事件簿』の続編にあたり、『Fate/stay night』の世界観を踏襲しつつ、新たな魔術の謎や冒険に挑むエルメロイII世たちの活躍を楽しめます。

第六巻は、「フェムの船宴(カーサ)」と題された上巻にあたり、死徒ヴァン=フェムが運営するギャンブルのイベントに参加することになったエルメロイII世たちの物語です。彷徨海の魔術師ジズとの勝負を通じて、フェムの正体や目的を探ることになりますが、その舞台は恐るべき死徒の豪華客船であり、幾多の魔術師やマフィアたちの陰謀と欲望が交差する危険な場所です。果たして、エルメロイII世たちは無事に船宴を乗り切ることができるのでしょうか?

本巻は、『ロード・エルメロイII世の冒険』の中でも特にスケールの大きい作品であり、ファンにはたまらない要素が満載です。まず、『Fate/stay night』の登場人物である遠坂凛とルヴィアが、モナコでとある捜索を続けているところにエルメロイII世たちと遭遇するという衝撃の展開があります。凛とルヴィアは、エルメロイII世たちと協力して船宴に参加することになりますが、その過程で彼女たちの魅力やキャラクター性が存分に発揮されます。また、船宴の参加者の中には、『Fate/Zero』の登場人物である衛宮士郎の姿もあります。士郎は、前回の勝者としてフェムの船宴に招かれており、エルメロイII世たちとは敵味方の関係になります。士郎の正体や目的は、本巻では明かされませんが、次巻に向けての大きな伏線となっています。

さらに、本巻では、『Fate』シリーズの世界観に関する重要な情報や設定も多く明らかになります。例えば、死徒と魔術師の関係や歴史、死徒の種類や階級、死徒の運営するギャンブルのルールや仕組み、神明裁判(オーディール)という魔術の儀式などです。これらの情報は、『Fate』シリーズのファンにとっては非常に興味深く、作品の理解や楽しみを深めることができます。

本巻の魅力は、上記のようなファンサービス的な要素だけではありません。本巻は、魔術の謎や冒険のスリルだけではなく、人間の心理や感情にも深く切り込んでいます。例えば、エルメロイII世は、自分の教室の生徒であるフラット・エスカルドスとの関係に悩みます。フラットは、エルメロイII世のことを尊敬し、友人として接しようとしますが、エルメロイII世は、自分の立場や責任から、フラットに対して距離を置こうとします。しかし、船宴の中で、フラットの危機に直面したとき、エルメロイII世は、自分の本当の気持ちに気づくことになります。このように、本巻では、エルメロイII世の成長や変化が描かれており、彼のキャラクターに感情移入することができます。

また、本巻では、死徒ヴァン=フェムの人間性や動機にも触れられています。フェムは、死徒としての本能に従って人間を殺す存在ですが、同時に、人間の文化や芸術にも興味を持っています。彼は、自分の船宴で、人間の欲望や魔術の可能性を試すとともに、自分の美意識や価値観を表現しようとします。彼は、エルメロイII世に対して、自分の船宴に参加することで、人間の本質や魔術の真理に近づけると誘惑します。彼は、エルメロイII世に対して、敵意や憎悪ではなく、興味や好奇心を持っています。このように、本巻では、フェムの複雑な人格や思想が描かれており、彼のキャラクターに興味や共感を持つことができます。

本巻は、『ロード・エルメロイII世の冒険』の中でも特に見どころの多い作品であり、ファンには必読の一冊です。『Fate』シリーズの登場人物や世界観に関する新たな発見や驚きがありますし、魔術の謎や冒険のスリルがありますし、人間の心理や感情にも触れられます。本巻は、上巻にあたり、物語は次巻に続きますが、本巻だけでも十分に楽しめます。次巻が待ち遠しいですが、本巻を読んで、エルメロイII世たちの冒険に一緒に参加してみてください!

ロード・エルメロイⅡ世の冒険 6巻「フェムの船宴(上)」


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