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棘を縫う

感想:窓ぎわのトットちゃん(新組版) 講談社文庫

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感想:窓ぎわのトットちゃん(新組版) 講談社文庫

窓ぎわのトットちゃん 新組版

私はこの本を読んで、子どもの頃に戻ったような気持ちになりました。トットちゃんという愛らしい主人公が、自由で楽しいトモエ学園での日々を綴った物語です。トットちゃんは、普通の小学校では受け入れられなかった個性的な子どもですが、トモエ学園では、校長先生や先生たち、友だちたちに温かく見守られながら、自分らしくのびのびと成長していきます。トモエ学園は、電車を教室にしたり、リトミックや散歩をしたり、子どもたちの自主性や創造性を大切にするユニークな教育を行っている学校です。この本は、トットちゃんの目を通して、その素晴らしい教育の様子を垣間見ることができます。

この本の魅力は、トットちゃんの天真爛漫な性格と、彼女が体験するさまざまなエピソードにあります。トットちゃんは、好奇心旺盛でおしゃべりで、時にはおてんばで、時にはおっちょこちょいで、とにかく可愛いです。彼女は、電車の中で授業をしたり、プールで裸泳ぎをしたり、運動会で障害のある友だちと一緒に走ったり、初恋の相手と出会ったり、犬と仲良くなったり、戦争の影響を感じたり、といった様々なことを経験します。それぞれのエピソードは、トットちゃんの感情や思考が丁寧に描かれていて、読んでいると自然と笑ったり泣いたりすることがあります。いわさきちひろさんの優しい挿絵も、物語の雰囲気にぴったりです。

この本は、黒柳徹子さんが自分の子ども時代をつづった自伝的物語ですが、それだけではありません。この本は、子どもの視点から見た、戦前から戦中にかけての日本の社会の変化や、教育のあり方についても考えさせられる本です。トモエ学園の校長先生は、子どもたちの個性や多様性を尊重し、愛情を持って接する素晴らしい教育者です。彼は、トットちゃんに「君は、本当は、いい子なんだよ」という言葉をかけてくれます。この言葉は、トットちゃんの一生を支える大切な言葉になります。私は、この本を読んで、こんな風に子どもと接してくれる先生や親がいたら、どんなに幸せだろうと思いました。そして、自分もそうありたいと思いました。

この本は、戦後最大のベストセラーとなり、世界中で翻訳されました。私は、この本が多くの人に読まれることを心から願っています。この本は、子どもの頃に読んでも、大人になって読んでも、新しい発見や感動があります。この本は、子どもの心を忘れないことや、人として尊重されることの大切さを教えてくれる本です。この本は、私の宝物です。

窓ぎわのトットちゃん 新組版


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