「国民の歴史」は、歴史教育や歴史認識についての問題提起と深い論考を通じて、多くの読者から高い評価を受けています。

1. **歴史の新たな発見:**
   多くのレビューからは、通常の学校教育やマスメディアでは得られない新しい歴史の視点が本書にはあるとの評価が寄せられています。特に、歴史の先進性と先見性に焦点を当て、知性の一端が垣間見えるとされています。

2. **教科書問題への取り組み:**
   著者が教科書問題への取り組みやその背後にある歴史観に対する批判的な視点が、読者に深い印象を与えています。教科書の偏向記述を取り上げ、歴史の本質や意義を妥当な理解に向けた論考が重要とされています。

3. **西洋思想史の視点:**
   本書は西洋思想史の物差しを使いながらも、日本史についての比較論や歴史評論を行っていることが特徴的です。これが一般向けの啓蒙書としては難解な一面もありますが、歴史に造詣のある読者には興味深いものとなっています。

4. **教育の重要性:**
   正しい歴史認識の重要性が強調されており、特に高校教育や歴史教育の在り方に対する意見が寄せられています。歴史学者以外の層も教科書問題に積極的に関与し、問題提起や修正提案を行っている様子が描かれています。

5. **時代背景との関連:**
   本書が刊行された1999年当時の社会的背景や教科書問題がどのように影響を与えていたかが論じられており、時代背景との関連性も強調されています。

総じて、「国民の歴史」は歴史に対する深い洞察と批判的な視点が結びついた一冊であり、歴史に真摯に向き合う読者にとって価値ある読書体験となっているようです。

国民の歴史