世界で一番やさしい考え方の教科書
この本は、誰でもできる「考え方の教科書」です。著者の榊原さんは、思考力の高い人が普段からやっていることを、シンプルに言語化してくれています。認知、思考、行動、洞察の4つのステップを通して、自分の頭で考える力を身につけることができます。
私は、新入社員の時に読みたかった本だと思いました。仕事の整理にとても役に立つからです。例えば、問題解決のためには、まずは相手の言葉や状況や意図を正しく認知することが大切だということを教えてくれます。そして、問いを書き出して、順番に解いていく方法を示してくれます。これは、仕事の効率化や品質向上にもつながります。
私は、今の会社に入ってすぐのころにパートのお局さんと揉めたことがあります。きっかけは、残業続きで疲れていた時に相手からもっと考えろと言われ反発したためでした。その時の影響で彼女から陰湿な嫌がらせを2年以上受け続けています。挨拶をしても返事をしなかったり、私だけ挨拶されなかったり、冬場のストーブの灯油を私の使っているものだけやってくれなかったり……。今思うとやっぱりお局さんが悪いと思いますが、それでも考えることがうまくできていれば回避できたかもしれないと思います。もしこの本をもっと早くに読んでいれば、相手の言葉や状況や意図を認知して、自分の感情に振り回されずに対処できたかもしれません。
人生は未来しか変えられないと言います。少しでもいい未来を目指せるようこの本を生かしたいと思います。この本には、具体的なエピソードや図解がたくさんあります。例えば、認知の三要素は、言葉と状況と意図だということです。言葉は、相手が何を言っているのかを正確に理解することです。状況は、相手がどんな背景や環境にいるのかを把握することです。意図は、相手が何を伝えたいのかを推測することです。これらの要素を認知することで、思考の土台ができるということです。
思考に行き詰まったら行動するというのも、とても参考になりました。思考と行動の間には、何らかの気付きがあるはずだということです。話す、集める、休むの繰り返しで、思考の行き詰まりを突破することができます。話すというのは、人に相談することです。集めるというのは、情報や知識を調べることです。休むというのは、リフレッシュすることです。これらの行動をすることで、思考の視野が広がります。
洞察するというのも、面白いと思いました。洞察とは、ゴールに直結しない問いを考えてみて、新たな気づきを得ることです。これは、現有戦力を底上げすることになります。知識、経験、感性、勘などを活用して、思考の深みや幅を増やすことができます。洞察することで、自分の考え方に自信が持てるようになります。
本来「考える」って楽しいことなんだというのも、この本のメッセージだと思います。自分の意志で、自発的に、あーでもないこーでもないと思いを巡らせて、ひらめいたり、試したり、気づいたりすることは、この上ない喜びです。誰かに強制されて「考える」ことは、苦痛です。そもそもここで言われる「考える」ってどういうことなんだという疑問もあります。この本は、そんな疑問に答えてくれます。考えるということを、全体を俯瞰できるように教えてくれます。俯瞰できれば、自分がどこで壁にぶつかっているのか見えてきます。見えたら、そこを手当てしていけばいいのです。
この本は、考えることの楽しさと大切さを教えてくれる本です。考えることができる人は、どんな状況でも対処できる人です。考えることができる人は、どんな未来でも作れる人です。考えることができる人は、世界で通用する人です。この本を読んで、考えることができる人になりましょう。
世界で一番やさしい考え方の教科書